0630
二五歳になって一ヶ月が経とうとしている。誕生日を祝う者は誰もいなかった。特に祝って欲しくもなかったのでオーケー。上半期を締め括るべき言葉も無し。
そんな事よりもレジ袋だ。政治はよく分からん。タバコの装丁みたいに環境うんたらの文字をレジ袋に印刷すればいいんじゃないか、と言うと「レジ袋有料化撤廃」または、意味がないとして「タバコの警告撤廃」の王手飛車取りになる事は知っている。
生活は重要だ。こんな些末な事でも社会と向き合える。だが社会とはなんだ。
社会について伝聞や経験則で知ってる限りを書いてみる。
・私と話が合う人間は少ないらしい
・反りの合う人間はもっと少ないらしい
・参画しないと諸々困るらしい
諸々困る、というのは医者の言葉だ。「君は生活保護による社会から隔絶された生活に耐えられる程の強靭さはない」とか。どんなに落伍してもフリーターかちまっこい会社の社員止まりらしい。セーフティネットに息苦しさがあるのはどういうことか。やはりセーフティネットも社会に属しているからか。社会というものは往々にして疎外を覚えるものだからな。
今日は眠れる気がしない。特に嫌な事があったわけでもないが、ぼんやりと嫌な気分だ。酒を飲んでもなんだか気分が晴れなかった。
酒は悪い。アダムとイヴは蛇に唆されてリンゴ酒を作って飲んだからだ。パラダイス・ロストから全ての功夫が乱れてしまったのだ。
何もかもがどうでも良くなったら「無敵」なのだ。インターネットに書いてあった。
大学がどうでも良くなりつつある。教授に毎晩ポエムでも送りつけてやろうか。だが私もそこまで鬼ではない。まだ、未だ尚、どうしても忘れられない学問の引力はどうしたらいいものか。捨てろ、捨てろ。
0627
胃液をダラダラ流して、教授にメールを返信した。「カスみたいな日々を送っていて、ストレスでダメになるので先のことは考えられない」といった内容。
魔法カードを発動してゼロコストで学士ゲットできたら、なんて考えている。ナードなので。
人はいずれ死ぬ。神に疎まれている事を嘆きながら!
この言葉だけが頼りだ。
カードゲームに終わりがあるように、人間にも終わりがある。平等な死、みんなのところはもう来てるのかな?
0626
昼寝をしていた。ゴソゴソと物音がするので多少の覚醒をするも、イヤホンで耳かき音声を流している事を思い出す。この部屋には誰もいない。
未だに下宿の天井に慣れない。ここは敵地なのだろうか。実家の天井が一番安心する。実家は気密性が高くて独特の臭いがこもっている。それが安心するのだ。
しかし寝具の都合、下宿でしか寝ることができない。実家のベッドでまともに入眠できた試しはない
全く噛み合っていない。
世界が虐げるのだ。
将来、金欠、不眠と、ここまでグチャグチャのハチャメチャにして、イエスはこれを観て笑ってくれるだろうか。
カウチポテトの神の暇つぶしになっているのならば、私は満足し、この状況を甘んじて受け入れてやろう。
さあ、どうなんだ。
0624
夏至は去った。これからは昼時間が短くなる一方だ。とは言え明るい日々は続く。心配する事はない。
しかし「起きた時、太陽が眩しいと嬉しい」なんて、この程度の小さな幸せすらもかき消す季節がやってくる。
梅雨だ。
雨が好き、なんて人間はイカれたサブカルか天候強靭にステータスガン振りした健常者だけだ。言いすぎた。
雨が嫌いなのだ。嫌い過ぎて天気予報を拒否してしまい、ビニール傘をその場で買う事を幾度となく繰り返す。そのくらい嫌い。
梅雨という季節は、神に疎まれている証拠なのではないだろうか。
『人は必ず死ぬ。神に疎まれている事を嘆きながら』
なんてのは初めて発狂した時に体得した感覚だ。
所詮、社会の枠組みからあぶれてしまったハグレ者は、気圧の変化に怯えたり、学事からのメールに胃壁を傷付けたりと、こんなバカみたいな生き方しか出来ないのだ。
店長、セーフティネット1人前。
0618
道すがら、宝くじの店を見てしまった。射幸心が公園になるシステムで、入れたお金が数倍になって返ってくる事もあるらしい。
そんなものを見ると、夢を見てしまう。「もし10万やら50万やら当たってしまったら?」と。何に使うだの考えているうちに店を通り過ぎた。
これは良くない。
この手のものは胴元が勝つと決まっているのだ。おれは公園を楽しくするために自らの希望を失望に変転するような人間ではない。
だが金は欲しい。欲しいものは欲しいのだ。こればっかりは譲れない。何をするにも金が要るワケなのだから、金はベラボウにあっても困らないのだ。
アルバイトのお陰で多少楽な生活は出来ているが、まだ足りない。もっと、もっと、心が叫んでいる。
0917
何はなくとも課題をこなしている。嘘。課題は楽なやつだけやってる。
やはりスマートドラッグでなんとかこなしている人間が散見される季節になったので、その波に乗ってチロシンを購入した。今回で三度目。三度目の正直にかける。いつ届くのだろうかってワクワクテカテカなワケ。
それはそれとして、梅雨だ。雨が嫌いになったら大人、なんて言う奴もいるが、俺は子供なのに雨が嫌いだ。何故なら異端だからだ。傷んだ体を抱えている事も理由の一つだ。ダジャレ一丁。
雨が降る直前の湿った風にときめくほど雨が嫌いだ。湿度が上がってタバコの味も深まるけど雨が嫌いだ。洗濯物をコインランドリーで乾かす事になるが、そのコインランドリーの熱くて乾いた、そして心なしか清潔な香りが嫌いだ。
廃ビルの屋上で「ねえ、今から晴れるよ」となる前に、ベッドの中で「はあ、今日はもう狂って終わり終わり」と、ダクソRのオンスモ戦で片方は倒せたがもう片方はギリギリで倒せなかったくらいの悔しさで、むりやりモンスターエナジーをぶち込み、正常方向に整えてゆく。
明日は曇りらしい。だとしても良くない。晴れてくれ。洗濯物を乾かしたいのだ。前回洗濯物にクソデカい虫が紛れ込んで共生の道を辿ろうとしたが、羽音が騒がしいのでゴキジェットで殺した。こんな季節だ、軽い運動も兼ねてコインランドリーが妥当か。